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泌尿器科とは何科?内科との違いは?相談できる症状を医師が解説

日常の中で「最近トイレが近くなった」「尿が出にくい気がする」といった排尿の違和感を覚えながらも、忙しさや気恥ずかしさから受診を先延ばしにしている方は少なくありません。

尿に関わるトラブルや生殖器の悩みは、日々の生活の質(QOL)に直結する極めて重要な問題です。専門的な知見を持つ医師の診断を受けることで、不安を解消し、適切な治療へとスムーズに進むことができます。

泌尿器科とは?尿や生殖器の悩みを専門的に診療する科

泌尿器科は、体内の老廃物を尿として排出するための一連の臓器や、男性特有の生殖器に関連する疾患を専門的に診療する診療科です。敷居が高いと感じられることも多い分野ですが、実際には幅広い世代の男女が日常的な悩みを解決するために通う、生活に密着した医療を提供しています。

具体的な診療対象には、腎臓、尿管、膀胱、尿道といった「尿路」と呼ばれる器官のほか、前立腺、精巣、陰茎などの「男性生殖器」、そしてホルモン分泌に関わる「副腎」が含まれます。

泌尿器科の大きな特徴は、薬物治療による内科的なアプローチから、手術による外科的なアプローチまでを一貫して行える点にあります。近年では、ロボット支援手術などの最先端技術が積極的に取り入れられており、患者の身体的負担を最小限に抑える治療の選択肢も広がっています。

泌尿器科で相談できる症状【セルフチェックリスト】

泌尿器科を受診すべきか迷った際は、自身の症状が以下のセルフチェックリストに該当するかどうかを確認してみましょう。自覚症状を適切に整理することが、スムーズな診断と早期改善への第一歩となります。

排尿に関する症状

日中や夜間の排尿回数が異常に多い、尿を出すのに時間がかかる、尿の勢いが弱い、尿が途切れる、排尿後もすっきりしない残尿感がある、といった症状が挙げられます。特に、夜間に何度も目が覚めてトイレに行く症状は、睡眠の質を大きく低下させ、日中の活動や仕事の生産性に悪影響を及ぼすため注意が必要です。

尿の見た目に関する症状

尿に血が混じっている(血尿)、尿が全体的に濁っている、あるいは排尿時に泡立ちが強く消えにくい、といった症状は、尿路のどこかで炎症や出血が起きているサインです。目で見てはっきりとわかる血尿はもちろんのこと、健康診断の尿検査で指摘される目に見えない微量な潜血も、原因を特定するために詳しい検査が求められます。尿に白いふわふわとした浮遊物が混じる場合の原因や受診の目安については、尿に浮遊物が浮かぶ原因と受診の目安で詳しく解説しています。

男性特有の症状

股の間や下腹部に不快感や重い痛みがある、陰嚢(タマタマ)が腫れている、触ると痛みがある、勃起力の低下(ED)を感じる、あるいは精液に血が混じる、といった症状が該当します。これらは前立腺や精巣の疾患のサインであることが多く、放置すると症状が進行する恐れがあるため、早めの相談が推奨されます。勃起力の低下(ED)が気になる方は、PC筋のトレーニングと泌尿器科での男性機能ケアもあわせてご覧ください。

女性特有の症状

くしゃみをしたり、重い荷物を持ったりした瞬間に尿が漏れてしまう、急に強い尿意に襲われてトイレまで我慢できない、排尿の終わり頃にツーンとした強い痛みを感じる、といった症状が代表的です。これらは骨盤底筋の緩みや女性の身体構造に起因する膀胱炎などで頻繁に見られ、適切な治療で改善が期待できます。

子どもの症状

年齢が上がっても夜尿症(おねしょ)が続く、尿の出口が痛む、睾丸が陰嚢の中に収まっておらず左右の大きさが極端に違う、といった症状があります。子どもの泌尿器疾患は、成長に伴う自然な発達段階の見極めが必要となるため、専門知識を持った医師の診察を受けることが重要です。

泌尿器科と内科・婦人科の違いは?

体調不良や尿の違和感を感じたとき、どの診療科を受診すればよいか悩むケースは多いものです。それぞれの科が扱う領域の違いを理解することで、より迅速に適切な治療を開始できます。

泌尿器科と内科の違い

内科は主に、高血圧や糖尿病などの生活習慣病、風邪やインフルエンザ、そして腎機能自体の低下(慢性腎臓病など)といった全身性・内科的な疾患を扱います。これに対して泌尿器科は、尿の通り道における結石や腫瘍、感染症、男性生殖器の構造的トラブルなど、「尿路と生殖器の局所的な異常」を対象とし、必要に応じて手術などの外科的治療まで担当する点が異なります。

泌尿器科と婦人科の違い

婦人科は女性特有の生殖器(子宮、卵巣、腟など)に関連する疾患や、生理不順、妊娠出産などに関わる領域を専門としています。一方で、女性の尿漏れや排尿痛、膀胱炎などは、尿路の専門である泌尿器科の領域です。下腹部痛の原因が子宮にある場合は婦人科、排尿そのもののトラブルが主症状である場合は泌尿器科を選択するのが一般的です。

何科に行けばいいか迷った時の判断基準

受診先に迷った際は、症状の中心が「排尿」に関連しているかどうかを基準にします。尿をするときの痛み、尿の色の異常、頻尿などが最も気になる症状であれば、最初から泌尿器科を受診するのが最も効率的です。もし全身のだるさや発熱、どこが痛むのか判然としない場合は、まず総合内科を受診し、必要に応じて泌尿器科を紹介してもらう方法も賢明な判断と言えます。

泌尿器科で扱う主な疾患

泌尿器科では、緊急性の高い急性疾患から、じっくりと付き合っていく慢性疾患、さらには早期発見が極めて重要な悪性腫瘍まで、非常に多岐にわたる病気を対象に診療を行っています。

前立腺の病気(前立腺肥大症、前立腺がんなど)

加齢に伴って尿道を取り囲む前立腺が大きくなり、尿道を圧迫して尿が出にくくなるのが前立腺肥大症です。また、近年日本人男性の間で急増している前立腺がんは、初期症状がほとんどないため、定期的なPSA血液検査によるスクリーニングと早期発見が極めて重要となります。

尿路結石(腎結石、尿管結石)

腎臓内で形成されたカルシウムなどの結晶(結石)が尿管に詰まることで、背部から脇腹にかけて激しい激痛を引き起こす疾患です。痛みのほかに血尿を伴うことも多く、結石の大きさや位置に応じて、水分摂取による自然排出を促す薬物療法や、衝撃波・レーザーを用いた破砕手術が行われます。

尿路感染症(膀胱炎、腎盂腎炎など)

細菌が尿道から侵入して膀胱内で増殖する膀胱炎は、女性に非常に多い疾患です。治療を怠ったり免疫が低下したりすると、細菌がさらに逆流して腎臓まで達し、高熱や腰痛を引き起こす腎盂腎炎へと重症化することがあるため、抗生物質などを用いた確実な初期治療が必要です。

排尿障害(過活動膀胱、尿失禁など)

膀胱が過敏になり、十分に尿が溜まっていないにもかかわらず急激に尿意を感じる過活動膀胱や、意思に反して尿が漏れてしまう尿失禁は、日常生活の行動範囲を狭める原因になります。これらは骨盤底筋体操の指導や、膀胱の過剰な収縮を抑える薬物治療によって大幅な改善が見込めます。

泌尿器科領域のがん(腎がん、膀胱がんなど)

腎臓そのものにできる腎がんや、尿を溜める膀胱の内壁に発生する膀胱がんなどがあります。特に膀胱がんは、痛みを伴わない「無症候性血尿」が代表的な初期症状であるケースが多いため、一度でも赤い尿が出た場合は絶対に放置せず、専門医による精密検査を受ける必要があります。

性感染症(STD)

クラミジアや淋菌、性器ヘルペスなどの感染症は、尿道の痛みや膿、かゆみといった症状を引き起こします。これらはパートナーとの間で互いにピンポン感染を防ぐ必要があるため、プライバシーが守られた環境で、迅速かつ正確な病原体検査と適切な抗菌薬治療を同時に進めることが大切です。尿道の痛みや違和感が主な症状の場合は、尿道の違和感の原因と検査の流れも参考になります。

泌尿器科の初診の流れと検査内容

初めて泌尿器科を受診する際、どのような流れで診療が進むのかを事前に把握しておくことで、心理的なハードルや受診への不安を和らげることができます。

1. 問診

受付後に問診票へ記入し、医師による直接のヒアリングが行われます。いつから症状があるのか、排尿の回数、痛みや違和感の強さ、現在内服している薬などについて、プライバシーに十分配慮された診察室でリラックスして伝えることができます。

2. 尿検査

泌尿器科において、尿検査は最も基本かつ極めて重要な情報源です。院内で採取した少量の尿を分析し、潜血の有無、蛋白や糖の数値、細菌や白血球の有無などを瞬時に調べます。この検査には一切の痛みを伴いません。

3. 超音波(エコー)検査

下腹部や背部にゼリーを塗り、超音波を出す器具をあてるだけの安全な検査です。腎臓の形態、膀胱内に溜まった尿の量、排尿直後の「残尿量」、前立腺の大きさなどをリアルタイムで痛みを伴わずに高精度で視覚化できます。

4. 血液検査

必要に応じて採血を行います。主に腎臓の機能を示す数値(クレアチニンや尿素窒素)の測定や、前立腺疾患が疑われる場合には腫瘍マーカーである「PSA」の値を測定し、体内の客観的な状態を評価します。

5. 必要に応じて行う専門的な検査

症状や疑われる疾患によって、尿の勢いを測定する尿流測定検査や、極細のスコープを用いて膀胱の内部を直接観察する膀胱鏡検査、尿路の形状を確認するレントゲン撮影などが計画的に実施されます。これらは必ず医師から詳細な説明と同意を得た上で行われます。

泌尿器科受診への不安を解消!よくある質問

受診を検討している方が抱きがちな疑問や懸念について、分かりやすく解説します。事前に疑問を解消しておくことで、リラックスして受診に臨みましょう。

Q. 女性でも受診して大丈夫ですか?

全く問題ありません。泌尿器科には女性の患者さんも多く、膀胱炎や過活動膀胱、更年期に伴う尿漏れなど、日常的なトラブルで通院されています。近年は女性医師の在籍や、待合室のプライバシーに配慮したクリニックも増えているため安心です。

Q. 診察でいきなり陰部を見せるのですか?恥ずかしいです。

初診の段階でいきなり陰部を見せる診察を行うことは原則としてありません。ほとんどの病気は、丁寧な問診、尿検査、そしてお腹の上から行う超音波エコー検査だけで診断や治療方針の決定が可能です。診察が必要な場合でも、カーテンなどで視線を遮り、最小限の露出で済むよう徹底的な配慮がなされます。

Q. 健康診断で「尿潜血」や「PSA高値」を指摘されました。

自覚症状がなくても、尿潜血は尿路の結石や初期の腫瘍、PSA高値は前立腺がんや前立腺肥大症の重要な初期サインである可能性があります。放置すると病気が進行してしまうリスクがあるため、検診結果の用紙を持参して、できるだけ早期に二次検査(精密検査)を受けてください。

Q. 費用はどのくらいかかりますか?

一般的な保険診療(3割負担)であれば、初診時に尿検査や超音波エコー検査、基本的な血液検査を行っても、窓口での支払いは3,000円から5,000円前後であることが多いです。処方されるお薬代は別途薬局で発生します。実施する検査の内容によって金額は前後しますので、気になる場合は受付でお気軽にお尋ねください。

まとめ:気になる症状があれば、ためらわずに泌尿器科へ

排尿トラブルや生殖器の悩みはデリケートな問題だからこそ、一人で抱え込んでしまいがちです。しかし、泌尿器科はそうした日常の「困りごと」を速やかに解決し、快適な生活を取り戻すための場所です。

早期に診断を受ければ、簡単な内服薬の調整だけで症状が劇的に改善することも珍しくありません。仕事やプライベートの時間を有意義に過ごすためにも、気になる症状がある方は、信頼できる泌尿器科をぜひ一度受診してみてください。

医療法人社団 セントメリー
飯田橋中村クリニック

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